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JIS盤用VCBの保守と更新 (第19回:注油の基本)

「則武継雄の公開講座2021JIS盤用VCBの保守と更新 第一章絶縁劣化対策の真相2021」も、第18回までで完了し、今回の第19回より、「第二章投入不具合の謎解き注油とグリース」2021」がスタートします。

投入不具合とは、主にVCBの投入操作に関するトラブルであり、具体的には、停電を伴う定期検査等が無事終了し、最後に復電するために、VCBを投入するという作業の際にどうにもVCBが投入できなくなるという現象です。数回の投入操作を繰り返すことで、自然に直る場合もありますが、何度操作を繰り返してもどうしても投入することが不可能な場合は、電線をVCBの主回路配線部で直結するしか復電の方法がないという状況になり、きわめて危険な状況が発生することになります。一度この投入不具合を経験しますと、また再発するのではないかと、心配になり、定期検査中も落ち着かなくなるという方もいらっしゃるくらい厄介な現象で、絶対的な対策はありませんが、結局は投入不具合が発生する原理と条件を十分に理解し、機構部への定期的な注油をおこたらないで、グリースの固渋を防ぐことが一番の対策となります。

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注油のやり方については、JEMA(日本電機工業会)より、「高圧真空遮断器の注油の必要性について」というパンフレットが発行されており、JEMAのホームページからダウンロードが可能です。

具体的な手法としては、このパンフレットの表紙にあるマンガが全てを語っています。すなわち、VCBの表面板を外して(外さなくても注油できるものもあります)、内部の動作機構部を点検可能な状態とし、該当するVCB自体に添付されている取扱説明書を熟読し、指定されている油を使って、指定されている箇所のみに正しく注油するということです。注油くらい自己流で、適当にやればいいという方もおられますが、それが投入不具合の主原因となる場合もありますので、基本に帰って取説に忠実に実施することが必要です。

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下図にありますように、様々な原因により、VCBの機構部に充填されているグリース等で、固渋が発生することにより、機構動作部に十分な油が供給されなくなりますと、機構の動きがスムーズではなくなることから、遮断不能や、投入不能となり、結果的にはシステム全体が多大な被害をうけるという状況になります。

高圧真空遮断器の注油の必要性について

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